コラム「水準器」


■3/1 日本人のマナー 

 日本人のマナーが悪くなった。「日経プラス1」が先月、車内での目に余る不快な行為のアンケート調査を実施。その結果を発表した。上位は、子供が騒ぐ、ケイタイ電話での通話、ウォークマンからもれるカシャカシャ音、化粧、座席以外で座り込む、パンなどを食べる、ベビーバギーをたたまず乗り込む、隣との間隔を開け、足を広げて座る、混んでいる車内で車両を変わる など。
 2月27日、通勤電車内で人々は何をしているか、じっくりと観察した。午前9時直前の大阪地下鉄の車内。時間的には空いており、ほぼ全員座っている。男女比は半々。1車両に60人ほど。新聞、雑誌、本、漫画などを読んでいる人約10人、ケイタイ電話でメールをしたり、眺めている人7人、本格的化粧も2人、会話1組、何もせずボーとしている人約10人、そして意外や熟睡も含めて寝ている人が残り全員。半数が寝ているのだ。外国人が日本へ来て驚くベスト3に、街と車がきれい、酔っぱらいが多い、そして車内での睡眠をあげている。しかもこれから働く朝なのに、昏睡者までいるのは不思議な光景に映るようだ。安全な国といえばそうだが、外国だったら、かなりの確率で犯罪に巻き込まれる。
それにしても、老年にさしかかる人間として一番許せないのが、大勢人がいる中での化粧だ。口をポカンと開け、大して変わり映えしない顔をいじるのは絶対にやめてもらいたい。しかもよく見れば高校生ぐらいが多い。この慎みのない行為は都会から地方へ、そして若い人から年配者へと広がっているという。目のまわりを触っていて急停車でもしたらどうなるのか。危険度も含めて条例でも作って禁止令を出してほしいと思う。そして女性の歩きタバコ。これもみっともない。マナー後進国の中国や韓国でさえも、この二つは見かけない。日本人は世界の中でも類い稀な正直、清潔、謙虚な民族であったはずだ。何千年もかかって築きあげてきたこの美徳が、たかだか戦後の50〜60年で音をたてて崩れようとしている。根本は社会でも学校でもない。絶対に家庭にあると思う。この子達が親になる時代、日本は本当にどうなっているのか、空恐ろしい気持にかられる。
 手づくりも含めた情操教育。出番がやってきたようだ。熊本のトップワークサンカクヤが提唱し実践している「放課後ニットアウト」が全国に広がるのを切に期待したい。