コラム「水準器」


■6/1 いろんな現象が見え隠れしたホビーショー

 繰り返し言われることだが、いろんなイベントにあれだけ人が来るのに「なぜ売れないのか」、「店になぜ人が来ないのか」。  業界にとって永遠のテーマのようになってしまったこの現象。たしかに今回のホビーショーも連日、手づくりファンでうまった。主な交通機関の「ゆりかもめ」も、おばさんパワーに占拠されてしまった観がある。みなさんとても元気で、程よくおしゃれで、上品な人達だ。それほどの賑わい。他業界からは素晴らしい業界と映るらしい。新規参入に関しても、引きも切らない状況が続いている。  今年は少し長く東京に滞在したので、神田祭も見物した。以前も指摘したことがあるが、ホビーショーをはじめとするイベントも実はお祭りなのだ。非日常空間を提供して束の間を楽しんでもらう。終わればきれいさっぱり無くなってしまう。そう考えれば、業界のイベントが売上げに結びつかないことも、ある面納得がいく。そしてお神輿の担ぎ手も随分歳がいってしまった。会場は広く、ブースは美しく洗練されたものになってきたが、半面出展者と来場者の心のつながりが希薄になって来ているようにも感じ取れる。とくに手づくりホビーを下支えしてきたクリエーター達の精気のなさも気がかりな要素だ。
 情勢がどうあれ、きちんと新製品を世に出すメーカー、新しい市場開拓に意気込む新規出展者、地道に講習を行い少しずつでもファンを増やすメーカーや発売元。今年もいろんな現象が見え隠れしたホビーショー。隣接して開かれた「オトナの熱中生活フェスタ」が『静』とするなら、活力あふれるイベントであったことは疑う余地がない。  それにしても、最近の手づくりホビー業界の不振はかなり重症だと伝えられている。最大の要因は小売店への客数減で、今まで業界を引っ張ってきた大手小売店も例外なく苦しんでいる。バブルがはじけて10数年、淘汰されるべきところは消滅し、強い体質のところが残って新しい展望が開けるのではないかと見られた時期もあった。しかし、そんな見方は甘かったようで、まだまだサバイバル競争の時代は続く。そして先行きの不透明感はますます強まっており、1社のがんばりだけではどうしようもない時期にさしかかっている。ホビー協会や団体の強いリーダーシップが問われることとなりそうだ。