コラム「水準器」


■11/15 「ボタンの日」にボタンを考える

 11月22日、第21回目の「ボタンの日」がやってくる。ボタンに関わる業者自身が改めてボタンの果たす役割を見直し、同時にユーザーに対してもボタンへの関心を高めることに取り組むことを申し合わせたのが、制定のきっかけとなった。そして、ボタンの日が11月22日に決まったのは『明治3年11月22日交付の太政官布告の中に海軍制服の規定があり、この中で初めてボタンの文字が公文書に登場している』ことから。この歴史的事実にちなんで11月22日をボタンの日と制定したものである。
 「○○の日」という記念日は実にさまざま存在し、認定機関の日本記念日協会に登録されているだけでも2000件を超えるという。1日あたりで換算しても5〜6件の記念日がある。そのほとんどが業界団体などによって、その存在を広くアピールするために制定されており、有効に活用されているもの、休眠状態のものといろいろなケースが見受けられる。この業界では3月3日「ミシンの日」があるくらいで、特定の記念日は制定されていない。
 ちなみに11月22日では、ボタンの日以外で有名なのが「いい夫婦の日」だ。『11=いい、22=ふうふ』と実に安直な決め方だが、主催団体が記者発表まで行うため、こちらはテレビでも報道され、知る人ぞ知る記念日である。ただし、このいい夫婦として表彰されたカップルの中で、何組かはその後離婚しているから、いい夫婦が添い遂げるとは限らない。人生が面白いのは、この一事を持ってしてもよくわかる。そのほか11月22日は「ペットたちに感謝する日」「長野県りんごの日」「回転寿司記念日」「オール川柳の日」「大工さんの日」「和歌山県/ふるさと誕生日」と枚挙にいとまがない。
 日本人は古来から折り目節目をきちんと祝ってきた。元旦に始まり、桃の節句、端午の節句、七夕、中秋の名月はもとより、家族の中でも誕生日、宮参り、七五三、成人の日など次々に結構忙しく記念日やお祝いの日は存在する。
 さてボタンの日だ。制定当初はボタン業界の関係者一丸となってPRに取り組んだ。共通ロゴの制定にはじまって、ステッカーや懸垂幕の作成、ボタン小袋や「ボタンあめ」の配布から、ボタンの数当てクイズの実施などさまざまなPRを展開してきた。とくに「ボタン大賞の設定」はボタン業界に大きなインパクトを与えた。しかし年月は何事も風化させる。初心忘るべからず、原点に立ち返ってボタンの日の意義を考えてみたいものだ。