コラム「水準器」


■05/15   スマホが及ぼす他人への迷惑

 日本人のマナーというか、人に迷惑をかけないという最低限のモラルがどんどん低下しているように思う。とりわけその傾向が顕著に現れているのが「歩き」スマホだ。さらにスマホに関して言えば、電車の中を見渡すと、時間帯を問わずお年寄りと子供を除いてほぼ全員がひたすら頭(こうべ)をたれて、器械いじりに夢中になっている。前にお年寄りが立とうが、座っているのがシルバーシートだ うが一切われ関せず、異次元の世界に入り込んでいるように見える。
 最近、小欄は長く生きて来た者の責務として、スマホ歩き及びシルバーシートを占拠してのスマホいじりには、断固注意を促すようにしている。このことで判明したのは、案外素直に聞き入れてくれるのが、学生も含めた若い男性だ。元ヤンキーのような茶髪の男の子も「スミマセン」と言う子がほとんどで、逆に睨み返したり、舌打ちをして、当方を威嚇してくるのが女子高校生から20歳ぐらいまでの若い女性なのだ。中年男性も質が悪く、何を言われようが完全無視を決め込む。オバサンはどういうわけか、スマホを触っている人そのものが少ない。と、こんな些細なことからも世間が見えてくる。
スマホを使う上でのマナーに関しては、レストランなどで料理が出てくると、やたら写真を撮りまくる人がいる。これもほとんどが若い女性だ。これから食べるぞという臨戦体制に水を差されてしまう。コース料理だと、何度も何度も繰り返される。さすがに注意する店も出てはきたが、お客さんあってのお店なので、今のところ野放しの状態である。
 スマホの急激な普及により、人間はコミュニケーションを取るハードルが格段に下がっている気がする。ツイッターやフェイスブック、lineと手軽でボタンひとつで簡単に発信をすることができるようになった。今、こんな美味しいものを食べているという情報も<たちどこに発信できる。そして結果的に他人の興をそいでしまう。
 ツイッターが普及したことによって 自分の意見を簡単にSNS上で発信することができるようになった。これは素晴らしい。人類が今世紀に発明した最高のツールだが、逆に使い方を謝ればとんでもない事態を引き起こしてしまう。ケータイ・スマホは、非常に便利な道具である。だが、それがなくては何もできなくなるなどの「依存」や、見境なく時間を使う「生活習慣」の乱れ、「集中力」の低下、直接の「コミュニケーション力」が身につかない、そして「ながら操作」による事故など、スマホと付き合う人間の知恵が試されている。