コラム「水準器」


■09/01   宿題代行業者が横行する、歪んだ世相

 もうすぐ9月。今年の夏も日本列島には、さまざまな出来事が起きた。中でも東の長雨と西の猛暑と、同じ国とは思えない天候異変が同時に起こり、雨期まで出現したかのような亜熱帯地方化が進んでいる。九州では地震の傷跡も癒えないままに豪雨が追い打ちをかけ、未だ復旧の目処も立っていない地域もある。ハリケーンや一晩に1000回もの稲妻の発生など、かつて経験したことのない自然の猛威の前に、私達の列島はなす術もない。
 一方、世界の情勢に目を転ずれば、隣国は北も南もやりたい放題。やっていいこと、悪いことの判断もつかず、思いやり、反省のない国との付き合いの難しさは、騒音おばさんが近所に住んでいる住民のようでもある。テレビをつければ、議員の不倫だ何だと騒いでいるが、そもそも倫理観のかけらもない人達に「不倫」という言葉は当てはまらない。やむにやまれぬ諸事情を乗り越えて、それでも純粋な愛を貫くのが「不倫」の「不倫」、たる所以で、今、報じられているのは、単なる浮気や遊びであって断じて不倫ではない。もっと言葉を大切にしてほしい。マスコミの猛省を促したいと強く思う。
 さて、夏休みで真っ黒に日焼けした子供を見ることが少なくなった。今、40?50代のおじさん達の小学生時代は、開放されている学校のプールに毎日通ったものだという。しかし、今は夏休みの過ごし方がすっかり変わった。何より、夏休みは宿題の量が半端じゃないのだ。さらに上級生ともなると、夏休みは受験準備で忙しい。私学の中学を目指す子供達は、学校に行くより密度の高い塾の授業が連日待ち受けているのだ。
 こうした動きを受けて、夏休みの宿題代行業者か増えているという。何でも商売のネタになるものと、呆れ返るのを通り越して尊敬の念すら浮かぶ。。要するに、昔と違って共働きが多いから、親も宿題を手伝ってやれない。まして、人減らしの続く会社のサラリーマンは深夜帰宅が当り前。とてもじゃないけど、宿題を見てやる状況にはない。そこで登場した宿題代行。一番多いのが読書感想文。400字詰原稿用紙一枚が1000円程度。自由研究では、レポート付きで昆虫採集の標本が3万円もするのだという。そして驚きは読書感想文。賞を取ると受験の内申書に有利だという理由から、作文コンテストに応募されることも多いという。もし入選したらどうするのか、そこまで頭が回らないらしい。 
 業者は、夏休みの宿題は昔から親がやるものと相場が決まっている。それを替わりにやって上げてどこが悪いと開き直っている。子供とそれを思う思う親からお金を絞り取る阿漕(あこぎ)な商売。一刻も早く世の中から消えることを切に願う。