コラム「水準器」


■11/01   『新コスパ意識』を持つ生活者が目立ち始めた 

 解散総選挙が終わった。結果的に自民圧勝となったが、野党が勝手にコケたことが大きい。さしたる事由もないのに、解散に打って出た安倍首相の思惑以上に政局が動いた。自民党をこれほど勝たせた張本人は小池百合子知事だが、都知事選の勝利をもう一度と、大勝負に出たまではよかった。しかし、柳の下にどじょうは2匹いなかった。策士、策に溺れた典型例だと思う。都議選では、議会にはびこる狡猾な古狸にいじめ抜かれる、か弱い女性を演出。同情票をかき集めた。マスコミも現代のジャンヌ・ダルクと持ち上げた。しかし、知事になってからは何ひとつ決められない無能ぶりを、世間にさらけ出してしまった。
 この自小池百合子の人気凋落は、本人が一番気づいていなかった。すべてのボタンのかけ違いはこの一点に集約される。その上、『排除する』という超・上から目線の言葉。この一言ですべてが瓦解した。裏を返せば、その程度の人気だったともとれる。、この機に乗じたのが民進党の枝野さん。政策も何もなく、口をとがらせて文句をつけるだけの連舫さんの男性版だ。「立憲民主党」なる、手あかのついた時代遅れの言葉を持ち出し、藁にもすがる気持で新党を立ち上げたのだと思う。しかし、これが民心をつかんだ。どんな党なのか、まったく何もわからないが、「立憲民主党」というネーミングだけで大躍進をとげたのだ。今回の選挙。「削除」「立憲民主」の2文字だけがキーワードとなった。
 選挙はさておき。視点を世の中の動きに移してみる。日経平均株価は連日、高値更新が続いている。しかし、株価の値上がりほどには景気の良さは感じられない。モノを買わない消費不況は依然として列島に居座っている。こうした中、『新コスパ意識』を持つ生活者が目立ち始めたと、一部のマスコミが伝えている。NHKも、ニュース番組の中で特集を組んで、この動きを取り上げていた。具体例として、 東京にある大手百貨店の化粧品売り場に、従来、安いからとドラッグストアやネット通販に流れていた買い物客が戻って来た光景が映し出されていた。この新コスパ意識とは、コストパフォーマンスのみにとらわれてきた生活者が「できるだけ安価でそれなりの価値のある良品とは打って変わって、多少高くとも長く使え、効果が出るもの、時間をできるだけ短くするもの」と定義している。
 生活に必要なほとんどすべてのモノが賄える百円均一ショップ。未だに小売り市場を牽引しているが、一方で、賢い選択に目覚めた生活者の登場は、これからの社会を変える原動力となる可能性を秘めている。商売で最も安易な価格競争から、新しい価値観を持った人達へのアプローチの時代が始ま●うとしている。