コラム「水準器」


■12/01   安直でチープな2017年のヒット商品

 情報雑誌「日経トレンディ」がこのほど発表した『2017年ヒット商品ベスト30』によると、今年はポケモンGOや映画「君の名は」、インスタグラムといった様々な商品やコンテンツが ヒットしたという。その中でも3月の発売以来、品薄な状態が続き、日本全国で争奪戦が巻き起こったゲーム機『Nintendo Switch』が1位に輝いた。
 ちなみに、同誌によるヒット・ベスト10は、1位/Nintendo Switch、2位/明治ザ・チョコレート、3位/クラウドファンディング、4位/ミールキット、5位ビットコイン、6位/クラフトボス、7位/リンクルショット・メディカルセラム、8位/でか焼鳥、9位/anello(アネロ)、10位/ハンドスピナー を挙げている。このランキングは、1987年の同誌創刊以来続いている企画。集計期間中(昨年10月から今年9月まで)に発表された商品やサービスを対象に、売れ行き、新規性、影響力の3項目をもとに、同誌編集部が総合的に判断して発表したもの。
 長引く消費不況を反映して、何とも安直でチープなものがランクインしている。どちらかと言うと、あってもなくても国民の生活にほとんど影響しない小粒なヒットばかり。予想はついていたが、この結果はまさに今の日本を象徴している。
 一方で、広告代理店の博報堂が調査した「2017年にヒットした/話題になった」と思うものの調査。こちらは「インスタ映え」(1位)、「USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)」(9位)、「ナイトレジャー」(19位)といった、その場・その時に盛り上がるメトキ消費モに関連する事象が上位となり、また、デジタル化が急速に進む一方、「将棋」(2位)、「民泊」(10位)など、人の存在をリアルに感じられるものを求めるメリアル志向モも高まっているようだと分析している。
 調査機関が変わると、ヒットのベスト3も違った結果が出るのは、大きなヒットが出なかったことを如実に示している。しかも1位が大人向けの遊びのゲーム機とは、日本はどこに行ってしまうのか、不安に襲われる。日本を代表する文化が漫画にアニメ、伝統として受け継いでいくには何とも情けない。
 同時に、博報堂生活研究所が発表した「生活者が選ぶメ2018年ヒット予想」では、1位は「格安スマホ」。次いで「高齢ドライバーの事故防止策」「宅配ボックス」が同点で2位となった。旅行・観光関連では、10位に「USJ」、14位に「民泊」、18位に「豪華列車・バスの旅」がランクイン。女性の1位は「高齢ドライバーの事故防止策」、男性の1位は「電気自動車」だった。今年よりは幾らか暮らしを良くする要素が入っているとはいえ、わが国が世界に誇る素晴らしい技術がいかされた商品の登場を待ちたい。