2017年5月1日号

2017日本ホビーショー
来場者20万人突破


ワンラング上のハンドメイドが大集合!
「モノからコトへ」傾斜するクラフトホビー

 通算41回目の今年の日本ホビーショーは、日本における今後のクラフトホビーの進路をシンプルに、かつダイナミックな形で差し示す「表現力」全開の中で繰り広げられた。この結果を踏まえ、わが国のクラフトマーケットは、間違いなく新ステージへ突入したと言える。
 【けた違いの動員力】
 昨年の3日開催が2日開催へ1日短縮されたものの、合算で前年とほぼ同水準の20万人の動員を達成した。
 初日にはバイヤーの来場が目立ち、3日目の最終日は子供連れファミリー客で賑わった。服飾専門学校のファッションショーや「コスプレ」ショーが連日メインステージで繰り広げられたこともあって、学生たちやクラフトと距離を置くヤング層の取り込みにも成功した。近隣アジア各国の外人客の来場も目立った。

3日間の来場者数

28日(1日目) 41,548
■29日(2日目) 50,702
■30日(3日目) 55,562
合計    147,812人

同時開催の「minneのハンドメイドマーケット2017」(29・30日開催)
■29日(1日目) 22,097
■30日(2日目) 30,156
合計     52,253人 


【交流パーティでのハプニング】
初日昼間のショーを終え、18時過ぎから近くのホテルで交流パーティを開催する慣例のスケジュールは例年通り。ところが今年は、全米ホビー協会から組織と名称を変更したばかりのAFCI(Association For Creative industries)の新会長MARK HILL氏が来日し、交流パーティの席上、瀬戸会長に紹介されて登壇し、スピーチを述べた。

「USマーケットの改革に着手しており、その成果は2018年1月のショーでお見せすることができると確信しています。今回の訪日は日本のホビーショーの素晴らしい盛り上がりを自分の目で確かめ、確認するためにやってきました」とスピーチし、パーティに出席した日本人関係者を驚かせた。併せて米日両協会の友好と交流を一層深めていきたいとのメッセージを忘れなかった。
マーク・ヒル会長のスピーチにも増して驚かせたのが、経済産業省の加藤純氏(商務情報政策局日用品室)の来賓祝辞だった。
「ホビーショーのあまりの盛り上がりに、驚きと感動を覚えました。日本の近未来の経済産業のありようを先取りしているように思えました。省に帰って若い職員にホビーショーを見るように伝えます」と述べ、厚い思いを吐露したからだ。 この瞬間、拍手とかけ声が会場に響き渡った。

 【ホビーショーの盛り上がりは会場外でも】
 ユザワヤ銀座店が28日、銀座5丁目のコアビル6階にオープンした。銀座の大通りを眼下に、4丁目の交差点も視野に入るワーキングデスクを窓際に配した300坪の明るい売場展開。
 片や表参道のギャラリーでも「丸岡京子のクロスステッチ展」が、コンパクトに凝縮した内容で4月25日から30日までの期間開かれた。
銀座でも表参道でも、ホビーショーの情報を共有したお客が来店し、「活気を運んできてくれました」と異口同音に語っていた。SNSを使いこなすお客の情報発信力は、会場外にも瞬時に伝わり、波紋の輪が拡散していた。

 【変わらなければ、
 生き残れない】
ドラスチックに変化し、成長を遂げるホビーショー。変化のスピードはさらに加速し、起爆剤をため込む中で、クラフトホビーのビジネスは一体どのような形を描いていくのだろうか。
アメリカがB to Bのビジネスショーに固執してきたのとは対象的に、日本ではB to Cへ早い段階から切り替え、minneとの同時開催で更にもう一歩進めてC to Cへ、つまりクリエーターとコンシューマーが、あるいはコンシューマー対コンシューマーが直接マッチングする場に切り替えたことで、新たなエネルギーの取り込みを図った。
この流れは一層強まることはあっても、逆転することはないだろう。ホビーショーのあり方に留まらず、ビジネスの仕組みそのものがB to Bと平行する中で、C to Cの出番が益々増えてきそうだ。
それと同時にもう一点目が離せないのが、〈モノからコトへ〉傾斜するマインドが益々強まっていることだ。昨年のホビーショーあたりから顕著に見られる傾向が今回で更に加速したのが、商品の見せ方と飾り方で趣向を凝らすブースが増え、そうでないところとの格差が歴然とついてきたことだ。提案内容の善し悪し次第で、商品の評価がまるで違ってくる。ビジネスの組み立てがモノからコトへ移行してきたことを最も劇的に表現していたのが、〈アベニュー グレース〉ゾーンだった。
今回のショーで一押しの〈アベニュー グレース〉が高い評価と人気を得たことで、主催の日本ホビー協会が目指す〔ハンドメイドのブランド化〕に一定の手がかりを掴んだことは間違いないところだ。
後は宴のあとの始末をどう付けるか。クラフトホビーのビジネスに関わる業界の業者が活躍する出番の舞台が待っている。